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執筆者の写真オカケン

連載エッセー「まなぶ」ということについて

更新日:2020年6月22日

                              PTA会長 岡田 憲治

#002 「まなぶ=知ること、知っていること」

こんにちは。 前回皆さんに、「まなぶこと」をいろいろと分けてみて下さいと書きました。そして、そのためのきっかけ作りとして、いくつかの「まなぶこと」について、頭に浮かぶことを書いてみました。皆さんはどれが頭に浮かびましたか? 今回は、最初に書いた「テストでいい点を取れるよう準備すること」について、ちょっと考えてみたいと思います。塾に行き始める4年生以上の人には興味があるでしょう。 皆さんは、テストと聞くと「いい点を取らなきゃ!」とか、「0点だったらどうしよう?」とか、いろいろと心配になりますよね。どうして心配になるのでしょうか?それは、きっといい点をとると母さんや父さんが喜ぶし、逆だとがっかりされると思うからでしょう。

母さんも父さんも、大人になるまでもう嫌というほどテストを受けてきて、点は良い方が絶対良いと思っています。でもそれだけが良いなら、ここでの話がおしまいとなってしまいますから、もう1回ここで立ち止まって考えてみましょう。「テストの点が良いというのは、いったいどういうことなのか?」です。 テストにもいろいろありますけれど、ふつうは4年生なら4年生むけ、5年生なら5年生むけに知っていなければならないことを、ちゃんと知っているかどうかを「テストする」のが役割です。だから大切なのは「知っていること」です。「知っていること=良いこと」、「知らないこと=悪いこと」です。 このことを一番大事だと考えている人にとっては、まなぶことは「知っていることがたくさんある」ことになります。このときのまなぶこととは、コップの中に水をつぎ足して、いっぱいにするというイメージです。

空っぽだったコップに知識の水が注がれて、いっぱいになると、そのぶんだけ自分がりっぱになった気がします。だからどんどん学んで、コップの水が何倍にもなるくらい知っていることを増やそうと努力するのです。大人が「勉強しなさい」というときには、あまり意識していませんが、子供たちの頭の中が知っていることの泉でいっぱいになっていることを期待しているのかもしれません。 でも私がここでお話ししていることは、「まなぶこと」についてです。「勉強する」という言葉でなく、あくまでも「まなぶこと」と言っています。勉強という字を分解すると、「強く」あるいは「強(し)いて」、「勉(つと)める」です。だから少々無理をしながらがんばるという意味が含まれています。 果たして、まなぶことを「無理してがんばること」と同じことと考えていいでしょうか?  まなぶことは、いつだって「頭のコップの水をいっぱいにするためにがんばること」なのでしょうか?

もうここまで読んでくれたみなさんは、ちょっと気がつきはじめていますね。

「知ることだけがまなぶことじゃないんじゃないか?」ということを。

続く

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